五月の横浜公園
世の中いまゴールデンウィークの真っ最中。黄金週間は、サラリーマン時代何をしようか、どこへ行こうか、そう思うだけでわくわくして楽しみだった。郷里の浜松はいま浜松祭りの真っ最中、「ワッセワッセ」の掛け声と、進軍ラッパが鳴り響く凧上げ合戦、屋台の引き回しが目に浮かぶ。
しかし今は、非常勤の仕事があるというものの、年金収入で生活している70才の高齢者。ゴールデンウィークだからと、浮き浮きわくわくすることもなくなった。大渋滞が必至の高速道路で遠出するなんて昔の話になってしまった。
五月は新緑が美しい。秋の紅葉に次いで二番目に好きな季節だ。五月を詠った好きな詩をいつも思い出す。TBSの東芝日曜劇場「天国の父ちゃんこんにちは」(1968年~1980年)というドラマで主人公を演じる森光子さんが、ドラマの中で必ず最後に語る短い詩で、亡くなった夫からのプロポーズの言葉である。
貧しいから 私があなたに あげられるものといったら
柔らかな五月の風と 精一杯愛する心だけです でも、結婚してくれますね
前のカミサンが27才で亡くなったのが1968年(昭和47年)、TBSのドラマが始まった年でその当時は亡き妻を思ってこの詩が好きになった。再婚して23年経つが、いまのカミサンにも同じ気持ちでいる。夫婦とはそういう気持ちでいたいものである。
さて、今日は息子たち2家族が泊まりにやって来る。孫たちも中学生から小学生まで大きくなってきた。居間に飾っている幼少時代の孫の写真が懐かしい。
明日、家族みんなに愛されたハチにさよならをするために、すぐ近くの普光寺の合同墓に散骨する。そこはハチの散歩道であり、以前から法事に来ていただいた真言宗のお寺でもあり、神奈川新聞が取材に来たとき、ハチと一緒に記念撮影をしたところでもある。
数か月前こんなことを言った知人がいた。「合同墓の方がワンちゃんがたくさんいて、ハチも喜ぶんじゃないの」と。お骨をどうしようと考えていた時でなるほどと思った。
庭の木々も新芽がきれいだ。特に柿の葉の色がみずみずしい。今夜の食卓生野菜に、庭のイタリアンパセリ、ナスタチウム、ハーブなども添えてみよう。幸せとは、こうして家族が健康で過ごせることだとつくづく思う。